「…………うん」


しばらく待った後の答えは、
たったのそれだけ。


「返事は?」

また膝に顔を埋めた朔良に、俺は問う。


「……うん」

「それだけ……?」

思い上がった俺の、
想像通りでいいだろうか。

だけどそれでも、やっぱり聞きたい。


朔良は、人が黙り込んだりすると
何か機嫌を損なう事をしただろうかと、
勝手に困ったり怖がったりする。

でもそれは俺も同じだって、
わかっていないんだろうか。


今、本当は、
ただ困っているだけ。

断るにしても、
今を壊すのが怖いから。

だから言葉を探している。


そんな風に、不安ばかりが増えていく。


どっちにしても、答えが欲しい。