天使の羽根


 二杯目を飲んだところで、ようやく穂高はあずみの声がしたような気がして振り返って見た。

「ううん、別に。何も言ってない」

 あずみは両手を左右に振って笑った。

「そっか」

 二人にはどうやらタイミングというものがないらしい。

 いつもすれ違う関係に、お互いの気持ちだけが募る毎日だった。