「い~え、どういたしまして」 にっこりと微笑んで、再びあずみはキッチンに戻った。 それを横目に、穂高は激しく躍動する鼓動が抑えきれなくなっていた。 「おじさんも出張ばっかりで滅多に帰ってこないし、穂高ってばウチにご飯食べに来ればいいのに」 独り言のように呟くあずみの声も、穂高にとっては右から左だった。 呆然とあずみの背中を瞳が追ってしまっている。