ふと、抜け殻のような瞳で窓の外を眺めた。

 そこには、深く茜色に染まり、今にも闇に飲み込まれそうになっている空があった。 

 徐々に襲い来る暗闇に、穂高は一瞥の不安を募らせる。

 その原因が何なのかはっきりと解らないままに、再び深い溜息を吐いた。

「穂っ高~」

 いつもの声が響くと同時に、部屋のドアが開いた。