震える肩を慰めるように落とすと、立ち竦んだ穂高は、静かになった部屋を見回した。

 誰もいない空間に、何も見出せない虚無感に襲われそうだった。

「俺なんか……ここにいる意味ねぇよな……」

 誰かに答えを求めているように呟く声は、より一層の静けさを運ぶ。