天使の羽根


 穂高の姿が視界から消えてようやく、まるで呪縛が解けたように一歩を踏み出した高志は、慌てて穂高が飛び降りた先を覗き込んだ。

 だが、既にそこには何もなかった。

「穂高――――っ!!」

 虚しさの中で、高志の声だけが橋を落ちていくようだった。