何かを思い出したような高志の表情は、更に涙で濡れていった。 いつも感じていた手の温もりが今、自分を包み込むように目の前にあるのだ。 居た堪れない高志は、思わずその手を振り払う。 「触るなっ!」 宙をさ迷った穂高の手が、ぎゅっと握られた。 「ごめんな高志」 「何で謝んだよ!」 「マジごめん」 「だからなんでっ!」 「あずみは俺が貰うから……俺が絶対に幸せにするから……」