「よく、こうやって親父も髪を撫でてくれた。それは高志も同じだろ? 爺ちゃんはお前にも優しく……これは彼の癖でもあったはずだ。穂高くんは小さい頃から、泣いていたあずみちゃんやお前の頭をこうやって撫でて慰めていただろう……それが今は私の癖になり、高志の癖にも……」
「でも……」
「だから、後悔だけはして欲しくないと思って」
高生の言葉にようやく顔をあげ「それって……どういう意味」と小さく呟いた。微かに漏れた高志の声に、高生は意を決した眼差しで見据えている。
「今日、穂高くんが過去へ行こうとしている……」
「え?」
「この未来を守るために……さっき、月夜ヶ橋に向かった」

