「お前には、穂高くんとあずみちゃんが、過去へ行ってしまってと言う下りしか言ってなかっただろう」

「それがどうした。んなもん端っから信じてねぇよ……でも、百歩譲って、もし本当だとして、あずみが帰ってくる方法でも知ってるのかよ」

「いや、そうじゃないんだ」

「そうじゃなかったら何だよ、もう用ねぇし!」

 壁に向いたまま、話を真剣に聞こうとしない高志に痺れを切らした高生は、その肩に手をかけ無理やり振り向かせた。

「っんだよ!」

 面倒くさそうに高志はその手を払いのけたが、目の前に翳された写真を見るなり、背筋が凍る思いがしたのだろう。

 すぐさま、写真を毟り取り起き上がると、食い入るように見つめた。

「これ、って……」