天使の羽根


 高生は静かに「いや」と答えた。

 高生の記憶の限りでは、父親の面影に後悔は見出せなかったらしい。

「だろう……だったら俺はあずみと一緒に居たい、それが一番って事だな」

「穂高くん」

「俺、人生は長さじゃないと思ってるし……ただ、好きな人の傍で一生懸命生きるだけっていうか……そんな感じ?」

 その言葉の重みを受け取った高生は唇を噛締めた。