天使の羽根


「俺に病院へ行けって言ったのは、誰かにそう言われたんだよな」

 高生は諦めたように小さく頷いた。

「何もかも、君の思うままだ」

「そっか……やっぱそっか」

 穂高は少し伸び始めた髪をくしゃりと撫でた。

 高生は静かに口を開き始める。

「親父が話してくれた事があった。もうすぐ、この近くに自分が生まれるんだって……」

「……」

「初めは何を言ってるのかと思った。とうとうボケちゃったかって……でも、暫くして、それらを信じるしかないようになっていったんだ」