「おっ、穂高くん飯か」 仕事帰りの高生が玄関から入ってきた音さえ聞こえなかった穂高は、驚いたように振り向いた。 「え、あ、はい」 「いつもありがたいね。穂高くん、高志は……」 「あ、部屋にいます……今日も学校に行ってなくて……まぁ、俺もだけど」 「ああ、いいよ。気持ちの整理がつくまで……ああ見えて、幼い頃はお婆ちゃん子だったから」 辛そうに瞼を伏せた穂高は「俺、呼んできます」と言って、高志の部屋へ向かった。 「高志、飯だって」 ドアを何度かノックするも、高志の返事はない。