相変わらず夜の仕事を辞めずにいるが、生活するには必要な事だと理解している。だから、咎める事も出来ないままだったが、受け入れる素直さもなかった。 ただ史恵の行動を黙って見ている事で、自分自身に許すという気持ちを植え付けていた。 今日もまた、史恵は夕飯の支度を済ませ、寂しげな笑顔を穂高に向けて仕事へと出掛けて行った。 食卓に並べられた夕飯から、温かな湯気が立ち昇る様を、穂高はジッと見つめていた。 「……母さん……」 穂高は、聞き取れないほど小さく掠れた声で呟いた。