この世に、二つと同じものがないプレゼントだ。

 穂高は、自分の考えに確信を得ると、真剣な瞳をあずみに向け、意を決した面持ちでギュッと唇を噛締めた。

「やっぱり、俺は……この為に……」

 穂高は、自身の手の中にある箱を握った。

「……待ってろよ」

 穂高はそう言って、そっとあずみの手を名残惜しそうに放すと、コールを押して病室を後にした。