「穂高のせいじゃない。あたしの心が、残る事を願ったのだから……穂高のせいじゃない。すごく心配で、亡くなった智子さんを思うと、いつも可愛がってたキヨちゃんを置いて来れなかった」
「だからって、お前だけが……」
悔しそうに語る穂高に、あずみは申し訳なさそうに唇を震わせた。
「あたしはあの時代から、智子として生きる決心をした。あの時、穂高が消えてしまって、すごく悲しかったけれど……穂高が幸せになれたらそれでいいと思ってた……そう、思ってた」
あずみは言葉を詰まらせ、やがてそれは嗚咽へと変わる。
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