大きく溜息を落とす穂高の唇に、史恵は真っ赤なマニキュアの塗られた人差し指を「しっ」と宛がった。 そして、艶やかなリップが光るふくよかな唇を尖らせる。 「……パパの事は言わないで、気分が悪くなるから」 どこか寂しげに瞳を曇らせた史恵だったが、穂高はそれを避けるように視線を逸らした。 「どんな夫婦なんだよ」