天使の羽根

 落ち着きはらった高生に、まだ穂高は納得が出来ないでいる。

「何だよ、何もかもって」

 言葉を零しながら、穂高は頭を掻きまわすように項垂れ考えた。

 そして、一つの疑問が浮かび上がった。

「そう言えば……ここのクソ……じゃなくて叔父さんの母親も智子って名前だったよな……」

 恐る恐る聞く穂高は、ゆっくりと高生を見やった。そこには、先程とは違い今度は、沈痛な面持ちを引っ下げた高生が、今にも零れてしまいそうな涙を浮かべている姿があった。

「何とか言えよ、何を知ってるんだよ」