天使の羽根


「みんなの分まで、ここで母ちゃんと二人で生きよう、ねっ!」

「やだやだやだっ!」

「もう誰もいないの! お願いっ!」

「だってキヨは智子姉ちゃんじゃないもん!」

「解ってるよ、ごめんね、解ってるんだよ」

 いつも我儘を言わなかったキヨが、今は自分の気持ちを曝け出していた。どんなに今まで辛かったか、寂しかったか、悲しかったか。

 小さな体から弾き出される、大きな叫びが物語る。

「行かないで! 行かないで!」

 その言葉に、あずみは堅く瞼を閉じた。