天使の羽根


 そう思って、穂高は豊子の言葉に押されるように、あずみの手を引き立ち上がった。

 あずみの目は「二人をおいて行けない」と言っている風だった。

 しかし、気持ちは同じ穂高だったが、心を鬼にして、その目を見て見ぬ振りをして歩きはじめた。

 あずみは、引き連れられるように、豊子の目の前を横切る。だが、足を止める事もやはり怖かったのだろう。

 涙を拭い、あずみは穂高を選んだのだ。

 足早に橋に向かって歩き続ける。