二人と見えるその体は、重なってはいるものの、下になっている部分は無傷に近かった。そこからはみ出る衣服は、間違いなく智子が着ていたものだったからだ。
必死に穂高の腕を解き、一心不乱にその焼け焦げた遺体に縋った豊子は、重なっていた二人を離す。そして、現れた人が、紛れもなく智子だった事に愕然とする。
守られた智子の顔は、眠っているかのように奇麗だった。
大事そうに何かを懐に抱え、更に大事そうに智子を守るように重なっていたのは道彦だろう。
「智子――――――っ!!」
豊子は、枯れたはずの声を振り絞り、空を突き抜けるほどに名を呼び続けた。

