踏み込む度に、足下から舞い上がる煙、閊えると今にも崩れ落ちそうな柱を避け、穂高は慎重に進んでいった。 やがて、何もなく庭先だった場所に出た。 畑は全て使い物にならない程だ。唯一、残っている物と言えば、石で造られた塀のみで、それも半分は破壊されている状況だった。 「ここには、いないって思いたいよな」 そう呟いた瞬間だった。 穂高は、全身に鳥肌が立つのを覚えた。逆流して行く血液が、一瞬にして脳天までかけ上がっていくように、震え始める。