守れなかった命もあったが、キヨを救う事は出来たのだ。それだけが、今、穂高を立ち上がらせる気力になっているのかもしれない。 「……うん」 あずみはそう答えて、ゆっくりと立ち上がった。そして、傍らに呆然と座る豊子の腕を、そっと引き上げる。 豊子は、まだ信じられないと言った様子で、清と百合が消えて行った川の中を見つめていた。 そこには、水面が見えない程に無数の遺体が込み合い、流されていく様があった。 穂高もあずみも、それを避けるように視線を背ける。