◇ やがて空襲が終わり、いつのまにか人が途切れていた。だがその静けさは、大半が命を落としたからだった。生き残った人々には生気さえない。誰もが項垂れ、現実に打ちひしがれている。 橋の下に身を寄せ、静かに時が過ぎるのを待つ。 そんな暗闇の中、家族を探す声が、この空間を埋め尽くしていった。その中に豊子の姿もあった。 清と百合を探して、豊子は掠れた声を張り上げていた。 「あなた――――っ! 百合――――っ! 智子――――っ!」 しかし、その声は届かない。