天使の羽根


「未来に帰るんだろう? こんなところで死ぬんじゃないよ……ここで死んでいった人たちの為に、未来で平和を約束しておくれ」

 くしゃくしゃに濡れた頬を徐に拭い、震える唇を噛締めた穂高は、その言葉に押されるように、再びあずみの手を掴んだ。

「生きるぞ!」

 そう言って穂高は、川を目指す清の後を追う。

「こほっ……」

 噎ぶあずみを穂高が見やる。

「あずみ、息……苦しいのか……」