煙に巻かれそうな目の前に豊子とキヨの彷徨う姿が見えた。その傍には清が、百合を抱えたまま右往左往している。

「ダメだ、どこも火の海で川の方角がわからない!」

「あなた、でも川は危険だって……」

「それでも水のある場所の方が安全だろう! 学校のプールまでは距離があり過ぎる、だからみんな川へ行くんだ!」

「でも」

「どっちに行けばいいんですか?!」