誰もが、自分が逃げる事だけに一生懸命で構っていられない。清もまた、百合を守るのに必死で、火だるまの人間を避けて走る。 「うそ、だろ……」 穂高もあずみも、乾いた喉に無理やり息を呑んだ。 「あずみ! 離れるなよ!」 尋常ではない光景に、穂高は更にあずみの手をギュっと握った。 ――絶対に生きてみせる。 そんな想いを胸に、あずみの腕を引っ張った。