天使の羽根

 勝敗の台詞に、ピクリと道彦の肩が反応した。そして、ゆっくりと振り向いた。

「勝つと信じている。勝てば家族を守る事が出来る」

「だから、あんたの言ってる事が全然わかんねぇって!」

「解って貰おうとは、既に思っていない」

「あんたが戦争に行く理由ってなんだよ。国の為か、それとも智子さんの為かっ?!」

 真剣に見据える穂高に、今度は道彦が視線を逸らした。

「私は……智子さんには幸せになってもらいたいだけだ……」