冷たくあしらう道彦は、もう止めても無駄だと言わんばかりに瞳を伏せると、踵を返して穂高に背を向けた。
その背中を追いかけるように、穂高の視線が追う。
「あんたの守るって何? あんたはどれだけ人の心を知ってるって言うんだよ。誰が喜んで戦争いくヤツいるんだよ。自分が行けなかったからって、みんながみんな、行きたかった訳じゃねぇだろ、そんな気持ちは今も昔も変わらねぇよ」
道彦の足が止まるが、振り向こうとはしない。ただ、穂高の言葉に、聞こえる方の耳を傾けている。
「絶対に何も変わってねぇよ! 誰も好き好んで死にたくねぇだろ。誰かを守りたいって思う気持ちは変わらねぇんだよ! 勝てるかわかんねぇ戦争なんかに行かないで、自分で智子さんを守ればいいだろ?!」

