天使の羽根

「人殺しではない、守るのだ。戦争で活躍すれば世間にも顔向けできる……ここにいる事を運良くだなんて思いたくない」

「何が守るだよ、誰だって死にたくないだろ。人殺していい事ないし、だったら自分のやりたい事見つけて生きてた方がよっぽどマシじゃね?」

 そう叫んで穂高は道彦を睨みかえしたが、そこにある決意が尋常ではない事を察した。

 それでも、はいそうですか、と簡単に見送るのは馬鹿げていると思えた。

「俺だって自分の時代じゃ人の輪よりはみ出てたし、面白い事何か一つもなかったさ。生きてる事に意味を見つけられなかったし……あんたみたいに、やりたい事もなかった。でも、あずみが居てくれるだけでホッと出来たって言うか……大切なもの見つけたって言うか……あずみがいなかったら俺……」

 更に握った拳が震える。