天使の羽根

穂高は、最後まで言わせまいと、道彦の言葉を遮断するように怒鳴った。

「ばっかじゃねぇの? 一回ダメだったんだからさ、それでいいじゃん。運良く行かなくて良かったんだって思えば!」

「だが、友人が皆、戦いに行った。弟の大成も戦地に散り、私だけがのうのうと」

「そんなに人殺したいのかよ」

 穂高は、両脇に垂らした腕に力がこもり、いつのまにか拳を握っていた。

 掌に汗が滲み、じわじわと震えが全身に伝わる。