「長男である私が戦地に行けず、弟を送り出した気持ちが解るか?! それで智子さんをどれだけ悲しませたか……それに、その事でどれだけ非国民と罵られたか、その辛さが君には解るまい……私さえ、この耳が悪くなければ……弟と代わってやれていれば」 「解りたくねぇよ」 吐き捨てる穂高に、道彦は向き直り、真っ直ぐに見据えてくる。 穂高はその視線に、微かな嫌悪感を抱き逸らした。 「だから、私は今一度、国の為に志願した」