天使の羽根


 どうせ自分なんか生きている意味さえないと思っていたのだ。

 前の自分ならば、「ウザい」と考えながら、何もないとはっきりと恥ずかしくもなく言っていただろう。

 だが、この時代に飛ばされて、懸命に生きる事だけを考えている、死と背中合わせの人たちを前に、胸を張って言えるはずがなかった。