「何、どうしたの?」 居間を覗き込むと、そこには豊子と向き合い、何やら興奮した穂高がいた。 「豊子さんが、俺に坊主にしろって言うんだぜ?!」 「仕方ないでしょう、この時代に穂高さんの頭は目立ち過ぎます」 豊子の手を見れば、きらりと光るハサミが握られている。 「でもっ!」 「でももへったくれもありませんよ!」 豊子はそう言いながら、穂高ににじり寄る。