「あ、ちょっと、お礼も何もしてないよ」 叫ぶ豊子を尻目に、穂高は「いらねぇ!」と言いざま家を飛び出したが、玄関を開け外へ出た瞬間、足が止まる。 「……朝……?」 呟くあずみの声が悲しげに響く。 東の空が薄っすらと光を運んでくる。 その明るさに、見覚えのない街並みが浮かび上がっていた。