「え、ああ、その……はい。あたしはあの橋で穂高を待っていたら、急に突風に煽られて、それで振り向いたんです。そしたら、そこには誰もいなかったはずなのに、智子さんがいて……」 あずみは視線を落とし、膝の上に載せた拳を握った。 清と豊子は、互いを見合って頷く。 すると、豊子が話し始めた。 「昔からあそこを通ると、不思議なものが見えると噂だから」