穂高はあずみに言った通り教室へ戻ると、鞄を小脇に抱え早々と校門を出た。 いつもの帰り道、だが今日は生徒の喋り声もなく静かな道のりだった。 トボトボと一人歩いていた穂高の足は、無意識にも家路ではない方向へと向っている。 立ち止まったそこは、先程あずみが言っていた駄菓子屋の店先。 ふいに見上げた穂高は自分でも驚いた心境だった。 ――世話になんかなっていない無関係のババァだと思っていたのに。 そう思うも、心のどこかでは心配する気持ちがあったらしい。 「ま、顔でも見ていくか……」