道彦の都合のいい言い草に、怒りの治まらない穂高は、掴まれて乱れた襟を整えながら言った。 「いや、いいとは思っていないが……智子さんを助けてくれた事は感謝している。命の恩人だ、ありがとう」 腑に落ちない穂高は、グッと拳を握り締めた。