天使の羽根


「おい、マジかよ……つうか、この人……」

 雨に濡れた人影は、見慣れない格好をしていた。

 お下げ髪に、セーラー服こそ着ているが、違和感がある。

 良く見れば、頬も黒く煤汚れていた。

 穂高の中でその違和感が大きな蟠りとなって締め付ける。

「いや……死なせて」

 女の人は小さな声で呟くと、ゆっくりと二人に背を向けた。