「ずるくねぇよ!」 「あたしだって食べたかった!」 互いの顔が近付いた距離感に、ハッと頬を紅潮させた穂高は顔を背けた。 「あの、もちもちっとした歯応えの麺がつるつるっと入ってきて、出汁がほど良く甘くって忘れられな~い! いいな穂高食べたんだぁ~いいなぁ~」 「だぁ~うるさい。ったく、しょうがねぇな……うどんはやれねぇけど……これなら」 そっぽを向いたまま穂高はポケットに突っ込んだままの手をもじもじと動かし始めた。