見下ろした高志は「おう、じゃな」と愛想なく呟くだけで穂高を見ようとはしなかった。 どうやら、自分の誕生日すら忘れていた高生に苛立っているらしい。 だが、穂高はその気持ちには触れないまま、高志の家を後にした。 明日には満月を輝かせる明かりの下、穂高は家路へと急ぐ。