「え? 明日あずみちゃんの誕生日?」 突然、表情に暗い影を落としたのは高生だった。 夕飯も終わり、寛いだ時間の中で他愛もない会話をしていた時だ。 智子が発した「あずみの誕生日」という言葉に静けさが過ったのだ。 「どうかしたのか親父」 何気に聞いた高志の声に、ハッと俯いた顔を上げた。