「おや~穂高も来たのかい? 今、うどん出来るから食っていきな~」 居間の奥に続く台所から、忙しなく動き回る音と共に智子の声も聞こえた。 高志の家に母親はいない。十年も前に離婚している。 だが、高生は再婚もせず、家事全般は智子に任せていた。 動けるうちは、と言って智子は何でもこなすものだから気力もあるのだろうが、高志は口にしないが心配しているのは見ていて解った。