青い海

キーンコーンカーンコーン・・・

「終わった・・・」
久しぶりの地獄のような社会の授業も、延々過去の武勇伝を話し続ける先生の授業も終わった。
「璃音」
別の教室なのにわざわざ迎えに来てくれる紗琥は、いつも不機嫌になる。
そりゃそうだ。例の転入生がすぐ傍にいるんだから。
「帰るぞ」
紗琥が俺の腕を思い切り引っ張る。しかし痛くない程度だ。
(・・・なんか愛されてるな、俺って)
そう思い、璃音は紗琥を見た。並んでみると、身長差がはっきりしてくる。紗琥は、璃音より拳一つ分身長が高かった。
「・・・帰ろうか」
璃音は紗琥の腕を逆に掴み、ズカズカと歩いていった。
(意識しちゃうと、心臓が・・・)
バクバクといって止まない心臓を、掴んでないほうの手で押さえる。
(・・紗琥、だんだん大人になってるんだよな)
ひまわりのように明るい笑顔も、今では太陽のように温かい笑顔になっている。
「璃音?」
・・・雨の日に捨てられた子犬のような目はあまり変わっていないようだか。