「お前が選んで来いと言うからいくつか店を回ったが、私の欲しいアクセサリーは無かった」

 少し大きめの声で健吾を見つめる。

「えっ!?」

 一瞬、驚いてベリルが視線を示した先を一瞥すると、険しい目をこちらに向けている男2人が視界に入り慌てて笑顔を作った。

「き、君は選り好みが激しいねぇ。解ったよ、もう少し金額を上げていいからまた選んでおいで」

「本当に? ありがとう」

「──!?」

 抱きしめられて、叫びそうになるのを飲み込んだ。