「巻き込んですまないとは言わん」

 少しの怒りが見え隠れする瞳が見つめてくる。

「僕が自分から飛び込んだんだもの……そっちが謝る必要は無いよ」

 自ら関わらないことも出来たのに、そうしなかった。

 どうなっても文句は言えない。

「知る権利もお前にはある」

 驚いてベリルを見やった。

 静かに激しく漂わせる存在感とエメラルドの瞳は、健吾に視線を外させない。

 全てを見透かし逃げることを許さないその眼差しに、背筋が凍る感覚と共に何故か心地よさも覚えた。

『何も隠す必要はない』

 そう言われている気がして、恐怖は安堵へと換えられていく。