「僕を睨まないでよ」

 刺すような泉の視線に眉を寄せた。

 明らかにベリルさんは僕を盾にしている……右斜めの1人掛けソファから睨まれてる僕の身にもなってほしいけど、逃げたい気持ちも解るから何も言えない。

「店内の様子はどうだった」

 泉が切り替えて話を振ると、ベリルはテーブルに置かれているノートパソコンを開き画像を映し出した。

 どこかの店の風景──偵察に行った宝石店のものだろう。

 一般的な宝石店のようで、間接照明とアクセサリーを輝かせるライトなどがあちこちに設置されている。

 品の良いインテリアが客の購買意欲を駆り立て、流れている音楽も上品なクラシックだ。