慌てて通った道を折り返し、探している最中なのである。

「ホントにツイてないよ……バイトには遅刻するし、定期は昨日で期限終わってたし」

 ほぼ自身の凡ミス感は拭えないが、とにかく彼にとって今日という日は最低の日なのだ。

 ついでに言えば、歩いていてけつまづき電柱にしこたまおでこを打ち付けてもいる。