「……」

 ホントにいるんだ、あんな美人……消えた後ろ姿を追うように呆然とする。

 着ている服はボーイッシュというのだろうか、白いブラウスに青いストレッチパンツとトレッキングシューズが彼女のアクティブさを物語っているようだった。

「!?」

 そんなことよりもサイフを探さないと!

 思い出して、また周りをキョロキョロと見回した。

 そう、彼はサイフを落としてしまったのだ。

 バイトの帰り道、ブラブラと街中を歩いていてふと気がつけばパンツのポケットに入れていたはずのサイフが消えていた。