「坊やには関係のないことだ」

「誰が……っ!」

 身を乗り出した青年に金髪の男は溜息を吐き出し、着替えを始める。

「!?」

 健吾は同性だというのに酷く動揺してしまった。

 黒いベストを脱ぎ、下に着ていたボディスーツも脱ぎ捨ててシートの後ろにあったバッグから服を取り出した。

 整った顔立ちと上品な素振りに心臓がバクバクしてしまったが、引き締まった筋肉がただ者ではない事を窺わせた。

 いきなり着替えないでよ、びっくりしたじゃないか……と健吾は目を丸くしつつ見つめていた。