「!? かっ、怪盗!?」

 顔の半分ほどを覆う黒いマスクを付けた金髪の男が健吾を睨み、あごでついてくるように示す。

「……っ」

 少しためらって、怪盗のあとを追った。

 この男たちに捕まった方が危険な気がしたからだ。

 通りの入り口にさしかかると、一台の黒いワンボックスカーが目の前で止まった。

 後部座席のドアを開き、青年を押し込むように中に促すと怪盗も続いて乗り込み、その場をあとにする。